10億人以上が利用する中国の国民的アプリ「WeChat」を徹底解説

中国テック雑記

月間ユーザー数10億人以上を誇る中国のコミュニケーションアプリ・WeChat(微信。中国国内ではWeixin)。ユーザーの多さ、友人とメッセージを送りあう機能といった類似点もあり、日本では「中国におけるLINEみたいなもの」と紹介されることも多いですが、WeChatの機能・中国国民の生活との密着度は日本におけるLINEとは比べ物にならない、まさに「中国を代表するアプリ」です。

本記事では、WeChatについて中国国内での利用状況など詳しく紹介していきたいと思います。

WeChatの概要

国民的メッセンジャーサービス・QQを提供していたテンセントが、2011年にリリースした新しいコミュニケーションアプリ。

アリババのAlipayと並ぶ決済サービス「WeChatPay(微信支付)」、アプリをWeChat内で起動する「WeChatミニプログラム(微信小程序)」など追加機能を続々投入。2018年時点でユーザー10億人を超える、いまや中国人なら必須といえる国民的アプリとなっています。

※ミニプログラムについては、下記記事で詳しく解説していますのでぜひ合わせてご覧ください。

スマホ業界を激変させる中国発の最新トレンド「ミニプログラム」を徹底解説
スマホ業界を大きく揺るがす「ミニプログラムとは何か」について、WeChatミニプログラムを主な事例に、様々な視点から徹底解説

中国におけるWeChatの利用状況

ではここから、WeChatが中国でどれだけ日常的に使われているかを見ていきましょう。

WeChatユーザーの1日

この図は、WeChatユーザーの典型的な1日を表したものです。

・朝起きたら、モーメント(FBのタイムラインに近い)をチェック
・通勤中は、ニュース記事を見たりゲームをプレイ
・出勤後はモーニングの支払いにWeChatPayを使用

その後も、友達とメッセージのやりとり、同僚とのランチで割り勘、通販で買い物など、日常のあらゆるシーンでWeChatが利用されていることが分かります。

興味のある方は、テンセントが制作した下記動画(「WeChatによるスマートな生活」イメージ映像)もぜひご覧ください。

WeChat Smart Life 微信智慧生活

WeChat経由でサービスを利用するユーザー数(分野別)

上記グラフは、各分野のWeChat経由でのサービス利用者数(各年の累計)です。

2017年には公共料金の支払い(Utility bills)や医療サービス(Health)分野でも3000万人近いユーザーがWeChat経由でサービスを利用していることが分かります。

ちなみに上記グラフで利用ユーザー数が一番多いTransportation fines(約5200万人)は、交通違反の罰金関連です。交通違反を通報すると報奨金が出る場合もあるとのこと。

WeChat Payでの支払い率(分野別)

WeChat各商品カテゴリのユーザー推移

上記グラフは、商品やサービスを購入する際のWeChat Payの利用割合です。

スーパーやコンビニでの買い物は76%、飲食は53%。2016年には利用が少なかった美容・医療・公的支払いといった分野でも、1年で利用率が10%近く増えていることが分かります。

WeChat Payの利用率(若者、老人)

WeChatPay年齢別ユーザー推移

最後は、年齢別WeChatPayの利用割合の推移です。若者・お年寄り問わず、支払い手段として普及していることが分かります。

3. WeChatのここが凄い! サービス事例紹介

ここからは、WeChatの具体的な利用シーンを見ていきましょう。

個人認証は全部WeChatでOK? もはや日常生活のインフラに

Twitter

WeChatで確定申告も公的サービスもアクセス可能

広東省のミニプログラム画面

また、テンセントが本社を構える広東省が、公的サービスをWeChat上で使用できるミニプログラムを2018年5月21日にリリースしました。私企業だけでなく、公的機関もWeChatとの連携を強めていっています。

参考:“数字广东”首个成果“粤省事”上线微信城市服务再升级_科技_腾讯网

WeChat、独自生活圏の確立へ

WeChat内の流行を可視化する「微信指数」

「微信指数」は、WeChat内で行われた検索・WeChatの公式アカウントによる情報発信・それらの情報のシェアされ具合などを元に、指定したキーワードがWeChat内でどれくらい話題になっているかを示した数値です。

いまのところユーザー同士の会話の内容までは追っていないようですが(計算式の詳細は非公表なので正確には分かりません)、10億人ものユーザーがいるプラットフォームであることを考えると、企業のマーケティング活動に大きな影響を与えるのは間違いありません。

「toC」のユーザー向けだけでなく、「toB」のクライアント向けの機能もしっかり提供していく方向性が見て取れます。

WeChat内の情報を横断する「新検索機能」

Wechatが中国EC業界を揺るがす新たな検索機能をテスト中。実装秒読み段階へ | 中国マーケティング情報マガジン | Business China
近年、テンセント社はWechatの検索機能の強化に力を入れています。今年5月にテスト的に導入された検索機能は「検索する」メニューにおいて、公式アカウント、WeChat Mini

続いて紹介するのは、WeChatでの検索結果にWeChat内で販売されている商品(主にミニプログラムを想定)を表示する機能です。

これまでは、WeChatで友人から何かおススメの商品を紹介された場合、ECサイトのTaobaoなど別のアプリを起動して購入する必要がありました。

しかし、ミニプログラムによるWeChat内でのECサイト開設、そしてWeChat内のニュース・口コミ・商品情報を横断して検索できる機能によって、WeChat内で全てが完結することになります。

本検索機能によって、ユーザーはますます「WeChatに引きこもる生活」を送ることになるでしょう。

まとめ

以上、WeChatの概要から具体的なサービス事例まで紹介していきました。

日本におけるLINEとは比べ物にならないくらい、友人とのコミュニケーションや日々の買い物、公的サービスの利用まで、広く生活に関わっていることが見えてきたかと思います。

圧倒的なユーザー数を抱え、日々の生活に溶け込んだWeChatが今後どのような展開をしていくのか。今後の動きに引き続き注目していきたいと思います。

参考:WeChatの基本機能などまとめ

チャット・シェイク・モーメンツといった基本機能からWeChat Payまで、本記事で詳しく紹介できなかったWeChatの機能についてまとまったページです。

世界最大規模SNS!WeChatの使い方と関連記事まとめ - NAVER まとめ
中国で大人気のメッセンジャーアプリWeChatについて、紹介します。