テクノロジーに関わる人間は、中国語を今すぐやらないとヤバい気がしている

特許公報公開日の比較表中国語習得
同じ特許の種類別公開日時(中国、国際出願、アメリカ)

先日こんな記事を発見しました。

中国企業からの案件が増えてきているとか、中国人エンジニアが書いたブログなどに直接アクセスして情報を得られると良いよね、といった話が紹介されています。

本記事は、特許業界の話題を中心に紹介しながら、テクノロジーに関わるなら中国語できないとヤバいよねという話を紹介できたらと思います。

中国語ができないと本当にヤバい状況になる

中国の国際出願が日本を抜いて世界2位に。アメリカ越えも射程範囲

本記事冒頭で出したグラフです。中国が日本を超えて2位に、そして今の伸びをキープするなら横ばい気味のアメリカを抜いて1位になる可能性も十分高いと思います。

ちなみに、企業別で見ても、中国企業のファーウェイとZTEが国際特許出願件数1位と2位を独占しています。ファーウェイは2017年に初任給40万円を目玉に日本で新卒採用していた企業で、日本の伝統的なメーカーと比べると高給で大きな話題になりました。

中国の知財訴訟件数はアメリカを超えて世界一に

特許を出してるだけなら問題ないのですが、重要なのは「中国が(中国企業が)知財訴訟の体制を強化している」といことです。

ジェトロが報告している下記記事によると

量から質へ移行する知的財産権(中国) | 地域・分析レポート – 海外ビジネス情報 – ジェトロ

・中国の知財訴訟件数はアメリカをはるかに超えて世界一(中国23万7000件、アメリカ6万件程度)
・特許訴訟は前年30%増の16,000件
・賠償額の上限額引上げ、懲罰制度が商標で導入。特許も導入検討中

と、特許取得のインセンティブが高まる制度作りを着々と進めています。

2018年1月にテンセントとGoogleが特許クロスライセンスを結んだと話題になりましたが、アメリカのトップ企業にとって中国企業の特許が脅威になってきた1つの現れといえるのではないでしょうか。

Google、中国Tencentと特許権クロスライセンスに調印 | TechCrunch Japan
Googleからまた中国関連のニュースが出た。Googleは中国のテクノロジーの巨人、Tencent(騰訊)と特許に関するクロスライセンス契約を結んだことを発表した。契約の詳細は明かされていないがTencentは時価総額5000億ドルの巨大企業であり、Googleではこの契約は「広汎なプロダクトとテクノロジーが含ま..

日本で流れる中国のニュースの信ぴょう性が不安

その一方でこんな危険も。中国関連の2つのニュースに関して、ツイッターで見たやりとりです。

中国のベンチャー業界の状況

アリババ・マー会長の退任報道

いずれも「(信頼できるはずの)大手メディア」が報じた内容を「中国に滞在する個人」が批判しています。ここで言いたいのはどっちが正しいかではなく(なぜなら僕も今の時点でどちらが正しいのかわからないから。今はこちらを信じる、というのはあります)、自分で一次情報を取りにいかなければいけない状況になっているということです。現地に行かなくても現地のニュースを原文で読むくらいはやっていかないとヤバい。

特許分析の記事にも書きましたが「課題設定するためには、前提となる状況を正しく把握できていることが大前提」です。自分が得ている情報が正しいのか正しくないのか不安(だけど中国語わからないから諦めてる)状態で今後テック系・知財系の仕事を続けるのは、けっこう辛いと思います。

自分もそんな状況が辛くなり、中国語の勉強を始めました。それが伝えたくてこの記事を書いてます。

英語ができれば大丈夫!では済まされない2つの理由

日本のメディアが駄目でも英語の情報に当たればいいのでは、と思っている方もいると思います。でも、特許情報を見てみると、そうとも言い切れない状況が見えてきます。

中国語と英語では情報のタイムラグが1年以上ある

特許公報公開日の比較表

同じ特許の種類別公開日時(中国、国際出願、アメリカ)

上の表は、テンセントが出願したある特許の国別公開日時の比較です。1番上が中国での特許出願、2~3番目は同じ内容を国際出願、アメリカ出願したもの、4番目はその特許を改良したもの(なので今回の話にはあまり関係ない)ですが、要するに

・2014/12/30:中国で出願
・2015/5/13:中国特許庁が特許公報(中国語)を公開
・2016/7/7:国際出願による特許公報(英語)が公開
・2016/11/3:アメリカ出願によるアメリカ国内向け特許公報(英語)が公開

という状況で、要するにテンセントが2014年末に出願した特許が、中国語なら2015年5月に確認できるのに対して、英語だと2016年7月まで確認できないということです(そして日本には出願されていないので、日本語のものはありません)。

変化の激しいIT業界で、情報のタイムラグが1年以上あるのは結構ヤバいと思います。

中国企業の特許の半分は中国語しか公開されない

下記記事によると、中国国内での特許出願は2017年は約134万件。一方、中国による国際出願は冒頭紹介したグラフによると約50万件。前述のとおり、国内出願と国際出願で時期がずれるので単純比較はできませんが、中国出願の半分以上は国際出願されていないことになります。

中国の特許出願件数が著しく増加~全世界の出願増加数の98%を占める~|知財情報|日本技術貿易株式会社

国際出願を挟まずにダイレクトでアメリカ出願するケースもあるとは思いますが、中国特許の半分は中国語以外の言語に翻訳されないまま潜んでいる可能性があるということです。

まとめ

以上、テクノロジーに関わるなら中国語やった方がいいと思う理由についてまとめてみました。「実務に繋がる中国語の学び方」みたいな内容も別記事で書いていければと思います。