【シャオミ】事業戦略と知財情報分析まとめ(注力分野と特許出願傾向など)

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シャオミが、IoT家電に力入れてるって知ってた?

アリババ以来の中国大型IT企業の上場ということで話題になったシャオミ(Xiomi)。インドでシェア1位など各国で高いシェアを誇るスマートフォン事業や、スマート家電などのIoTハードウェアを世界中に展開し、事業規模を拡大しています。

今回の記事では、シャオミの2018年2Qの決算資料を読み解きながら、シャオミの事業構造と今後の戦略について見ていこうと思います。

サクッと内容を知りたい方はこちら。1分で分かるシャオミ

シャオミ(Xiaomi、小米科技)基本情報

正式名称:北京小米科技有限责任公司(Beijing Xiaomi Technology Co., Ltd)
本社所在地:中国・北京市
設立:2010年
代表:雷軍
時価総額:536億ドル ※2018/9/14
売上:168億ドル(≒114,624M RMB) ※2017年度・上場申請書より
営業利益:18億ドル(≒12,215M RMB) ※2017年度・上場申請書より
研究開発費:17.1億ドル(≒3,151M RMB) ※2017年度・上場申請書より
主要事業:スマートフォン・スマート家電の製造・販売など
シャオミ業績グラフ

シャオミの事業戦略

スマホ機器が全体の約65%と売上の柱

シャオミ・2018年2Qの売上内訳

シャオミ・2018年2Qの売上内訳

シャオミと言えばハイエンドでコストパフォーマンスの高いスマホのイメージが強いと思います。会社全体の売上を見てみると、スマホの売り上げが全体の65%弱を占めており、事業の軸になっていることが分かります。

スマホ以外の売り上げとしては「IoTライフスタイル家電(スマート家電など)」が25%、「ITサービス(広告など)」が9%、その他が1%になります。

インドでシェア1位になるなど、25か国で市場シェア5位以内

世界25か国でのシャオミ市場シェア

世界25か国でのシャオミ市場シェア

シャオミは世界25か国で市場シェア5位に入っています。最も人口が多い中国では4位とやや苦戦していますが、人口2位のインドでシェア1位、人口4位のインドネシアでシェア2位を獲得するなど、市場規模の大きい国を中心に各国でシェアを高めています。

 

インド・インドネシアでのスマホシェア推移

インド・インドネシアでのスマホシェア推移

上の表はインドとインドネシアでの主要メーカーの市場シェアに関する資料です。両地域とも韓国メーカー・サムスンとシェア1位争いを行っていますが、前年に比べてサムスンが30~50%程度の出荷増なのに比べて、シャオミはインドで106%、インドネシアで282%の出荷台数増を達成しています。

スマホ出荷台数の伸び率トップ。サムスンは出荷台数減少へ

世界のスマホ市場シェアの前年比較

世界のスマホ市場シェアの前年比較

世界全体でのシェアは、サムスン・ファーウェイ・アップルに次ぐ4位。しかし、サムスン・アップルが伸び悩む一方で、同じく中国メーカーのファーウェイとともに前年に比べての出荷台数増がめざましいです。

IoT機器は前年比104%成長。中国でシェア1位、インドも攻略へ

シャオミ、IoT生活用品の売上前年比較

シャオミの中国でのスマートTV稼働状況
IoT家庭用機器の売上は前年比で104%成長。中国では市場シェア1位でスマートTVの出荷台数は前年比350%増になります。

1億台以上のIoTデバイスが稼働中

シャオミ、IoT設備の稼働状況

シャオミ、IoT設備の稼働状況

先進国での普及が始まったばかりにも関わらず、既に1億台以上のIoT機器が稼働中。家庭の様々な機器が含まれるため、スマホより出荷台数が多くなる可能性が高いです。

ITサービスは高利益率を確保したまま、売り上げ増加へ


ITサービスの売上は前年比63%増。

シャオミ・ハードとソフトの売上利益率の比較

シャオミ・ハードとソフトの売上利益率の比較

注目すべきはその利益率で、Gross Profit(粗利=売上総利益)がハードウェア事業が7%程度なのに対して、ITサービスは62%と高い水準を保っています。

シャオミは「ハードウェア製品の利益は今後5%以内に抑える」と明言しており、スマホ端末は誰でも持てるように、その代わりソフトでユーザーに合わせた付加価値を出していくという戦略が見て取れます。

「スマホで稼がないスマホメーカー」シャオミ、その異色のビジネスモデルに迫る
Xiaomi、「ハードウェア製品の利益率を永久的に5%以下に抑える」ことを約束 – PC Watch

100以上のIoTスタートアップに投資。IoT製品のプラットフォームを狙う

シャオミ、スタートアップへの投資状況

シャオミ、スタートアップへの投資状況

シャオミのIoTとITソフト部門の成長をけん引するのがスタートアップ企業への積極的な投資。220以上の会社に投資して、その中の100以上はIoT生活用品に特化した企業となっている。

ベンチャーの力を活用してIoT製品のラインナップを揃え、自社のブランド力を活用してそれらの製品を育て、優れたIoT製品がシャオミのシステムに繋がっているIoTプラットフォームを構築。今後の成長戦略の要となっていくと思われる。

シャオミ、数百のスマート製品とIoTプラットフォーム上でコネクトする5000万超のデバイスを備えたMi Ecosystemを紹介 | IoT Today – IoT(Internet of Things)の最新ニュースや企業&ベンチャー事例(ケーススタディ)をほぼ毎日掲載 –

シャオミの知財分析

この項目では、特許出願の傾向や知財関連ニュース(クロスライセンス、特許売買など)を通じて、テンセントの知財戦略を整理していきます。

特許出願件数の推移

シャオミ・中国出願&国際出願件数の推移_中国出願_国際出願_chartbuilder

シャオミ・特許関連ニュース

シャオミとノキア、特許の相互利用で合意–VRやAIでも協業へ(2017/7/6)

ノキアというと昔はすごかったけどWindowsフォンで失敗してスマホシフトにうまく対応できなかった企業……という印象を持ってる人も多いと思いますが、通信技術などの基礎分野で優れた技術を持っています。

2017年にはアップルに対して特許侵害訴訟を主張、アップルが20億ドルを支払う形で和解&ライセンス契約を結んでいたり、次世代のモバイル通信技術「5G」の基礎技術を提供することで5G端末が1台売れるごとに3ドルのライセンス料が入るという状況のようです。

スマホ端末やスマート家電などハードウェアに強みを持つシャオミと通信に強みを持つノキアという、お互いメリットのある提携だと思います。

MicrosoftがXiaomiに特許売却、グローバルな関係強化の一環で(2016/6/2)

Nokiaに続いてWindowsフォンで痛い目を見たマイクロソフトもシャオミと提携、シャオミのAndroidスマホにOfficeやSkypeアプリが標準で組み込まれることになるとのこと。

Nokiaもそうですが、どのOSが勝っても相乗りして利益を上げられる状態が作れるというのが欧米のIT企業の特徴かなと思います。

参考図書:シャオミをより深く理解するための4冊

シャオミ 爆買いを生む戦略

シャオミの名前を(特に日本で)有名にしたのが、同社のファンコミュニティ戦略。SNS運用やイベント、高頻度のアップデートとSNS・イベントを駆使した熱量づくりで大量のファンを獲得、今後のマーケティングの手本とすら言われていました。

最近はその熱狂もひと段落して中国・インドを中心に実店舗やサポートセンターを強化するなど、堅実な成長路線にシフトしているようです(今回の記事には入れませんでしたが、決算資料でかなりアピールしていました)。

シャオミ(Xiaomi) 世界最速1兆円IT企業の戦略

創業から5年で売上1兆円を達成したシャオミ。本書では前述のファンコミュニティ戦略に加えて、その前提となる優れた商品を生み出すR&D、スピード感を生み出すバリューチェーンなど、より広い視野でシャオミの強さを解説しています。

前述の「爆買いを生む戦略」を読んでから読むのをお勧めします。

ファーウェイの技術と経営

本記事中にも名前が出てきたファーウェイは、通信局の設備といったBtoB事業からスマホ端末のようなBtoC事業まで、通信に関わる幅広い分野で強い影響力を発揮している中国企業。毎年発表される国際特許出願件数ランキングで、長年トップの座に位置していることでも有名な企業です。

ファーウェイを比較材料とすることで、IoT製品というスマホよりも設備寄り(=ファーウェイ寄り)の事業に力を入れ始めたシャオミの今後を理解しやすくなると思います。

大胆予測! IoTが生み出すモノづくり市場2025

スタートアップへの投資などを通じてIoTプラットフォームの座を確保しようとしているシャオミ。同社の今後を読むうえで、IoT業界全体の見通しを知ることは極めて重要です。

本書では、自動車・農業・流通など11の分野でIoTがどう広まっていくかを予測。家庭用に比べて今後が読めない産業用IoTについて(シャオミはIoTプラットフォームとして産業用にも展開すると思われる)、大まかな羅針盤が得られる1冊となっています。

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編集長:テクノ大仏(@tech_nomad_) ・アジアのテック事情や世界のITトレンドをまとめた「テックノマド in アジア」 ・中国スマホアプリのトレンド、ミニプログラムの情報をまとめた「ミニプロラボ」 の更新情報のほか、中国・アジアのテック企業に関する他メディアの記事紹介やコメントなどツイートしています。
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